「SPIは難しい?難しすぎる?難易度(レベル)を言語と非言語別に徹底解説してみた」で解説した通り、SPIは難しいと感じる人が多いですが、中には簡単な問題もあります。
しかし、SPIでは簡単な問題ばかりが出題されるのは非常に危険です(後ほど詳しく解説します)
本記事ではSPIの受検回数=100回を超えるSPIマスターの私、カズマがSPIで出題される簡単な問題の例をご紹介した後、SPIで簡単な問題ばかりが出題されるのが危険な理由について解説していきます。
SPIを受検予定の就活生や転職活動中の社会人はぜひ参考にしてください。
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SPIの簡単な問題を例題でご紹介
冒頭でも述べた通り、SPIでは簡単な問題も出題されます。
以下では簡単な問題の例を科目別にご紹介していきます。
※「SPIの科目・出題範囲は受検方式によって違うので注意!徹底解説」もぜひ合わせてご覧ください。
非言語(数学)
非言語で簡単な問題は以下の3つです。
- 割合と比
- 料金割引
- 仕事算
それぞれの問題題をご紹介します。
※SPIの非言語(数学)を完全解説した記事もぜひ合わせてご覧ください。
【割合と比の問題例】
あるイベントの3日間の参加者は2096人だった。3日目の参加者数が1日目の1.6倍で、2日目の1.4倍だったとすると、2日目の参加者数は何人だったか求めよ。
【解答&解説】
参加者の比は1日目と3日目が1:1.6、2日目と3日目が1:1.4です。
3日目に注目すると、1.6×1.4=2.24なので、1日目と2日目と3日目の比は1.4:1.6:2.24となることがわかります。
したがって、2日目の参加者数=1.6/(1.4+1.6+2.24)× 2096=1.6/5.24 × 2096=640[人]・・・(答)となります。
※「SPIの割合と比の解き方とコツ!暗記必須の公式とは?練習問題付き」もぜひ参考にしてください。
【料金割引の問題例】
Pはセール初日に定価の2割引で服を買い、Qはセール最終日に同じ服を定価の5割引で買ったところ、Pより4200円安かった。この服の定価はいくらか求めよ。
【解答&解説】
定価をa円とおくと、Pは0.8a[円]、Qは0.5a[円]で服を買ったことになります。
すると、0.8a-0.5a=4200という方程式が立てられるので、0.3a=4200より、a=14000[円]・・・(答)が求まります。
※「料金の割引はSPIの出題範囲!必ず覚えるべき公式もわかりやすく解説!練習問題付き」もぜひ参考にしてください。
【仕事算の問題例】
ある仕事をするのにA 1人で15時間、B 1人で12時間、C 1人で60時間かかる。3人で4時間働いた後、A 1人で残りの仕事をした。Aは残り何時間働いたか。
【解答&解説】
全体の仕事量を1とすると、A、B、Cそれぞれの1時間あたりの仕事量はそれぞれ1/15、1/12、1/60です。
3人で働いたときの1時間あたりの仕事量は1/15 + 1/12 + 1/60=1/6です。
つまり、3人で4時間働いたときの仕事量は1/6 × 4=2/3となります。
残りの仕事量は1 – 2/3=1/3です。これをA 1人で行うので、必要な時間は1/3 ÷ 1/15=5[時間]・・・(答)となります。
※「仕事算はSPIの出題範囲!解き方や2人・3人のケース・最小公倍数を使った手法もわかりやすく解説!」もぜひ合わせてご覧ください。
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言語(国語)
言語で簡単な問題は以下の3つです。確実に正解できるよう、事前にしっかりと対策を行っておきましょう。
※「SPIの言語対策・頻出分野・練習問題などを完全解説!これだけ読めば大丈夫」もぜひ合わせてご覧ください。
- 熟語の成り立ち
- 二語の関係
- 語句の用法(複数の意味)
熟語の成り立ちはWEBテスティング(インハウスCBT)でのみ出題されます。
※詳しくはSPIのWEBテスティングとは何かについて完全解説した記事をご覧ください。
二語の関係と語句の意味(複数の意味)はテストセンターでのみ出題されます。
※詳しくはSPIのテストセンターとは何かについて解説した記事をご覧ください。
それぞれの問題題は以下の通りです。
【熟語の成り立ちの問題例】
以下の熟語の成り立ち方として、あてはまるものを1〜4のうちから1つ選びなさい。
黙認
- 主語と述語の関係にある
- 前の漢字が後の漢字を修飾する
- 動詞の後に目的語をおく
- 1〜3のどれにもあてはまらない
【解答&解説】
「黙認」は「黙って認める」と読むことができるので、3・・・(答)が正解となります。
※「SPIの熟語の成り立ちとは?例題で解説&必ず覚えておくべきことをご紹介」もぜひ参考にしてください。
【二語の関係の問題例】
以下に示された二語の関係を考えて、これと同じ関係を示す対はどれか、1から3までの中から適切なものを1つ選びなさい。
絵画:彫刻
- カボチャ:野菜ジュース
- 旅館:ホテル
- 牛乳:家畜
【解答&解説】
「絵画も彫刻も芸術の一種である」という並列関係です。同じ関係になるものは2・・・(答)です。旅館もホテルも宿泊施設の一種です。
※「SPIの二語の関係とは?例題でわかりやすく解説!解き方のコツと一覧も」もぜひ合わせてご覧ください。
【語句の用法(複数の意味)の問題例】
例文の下線部の語句と、最も近い意味で使われているものを1つ選びなさい。
例文:私たちはトーナメントで優勝しようと話し合った
- 握手会イベントに行くと乃木坂46に会える
- 彼は総理大臣となった
- その意見には反対だと主張した
- 冬になると多くの観光客が訪れる
- 聞くと話すとは大違い
【解答&解説】
正解は3・・・(答)です。
例文と3は会話文などの引用を受ける格助詞です。
※「SPIの語句の用法・複数の意味を例題で丁寧に解説!練習問題付き」もぜひ参考にしてください。
英語
英語が出題される企業はほとんどありません。なので、英語の対策は基本的には不要です。
詳しくは「SPIの英語はこれで完璧!出題される形式や問題・対策方法などを一挙ご紹介」をご覧ください。
英語で出題される簡単な問題は以下の3つです。英単語の意味さえ知っていれば即答できます。
- 同意語
- 反意語
- 英英辞典
それぞれの問題例は以下です。
【同意語の問題例】
「adequate」と最も意味が近い英単語を1〜5の中から1つ選びなさい。
- adapted
- enough
- independent
- conceited
- deficient
【解答&解説】
「adequate」は「十分な」という意味です。よって、2・・・(答)が正解となります。
その他の英単語の意味は以下です。
- adapted=適切な
- independent=独立した
- conceited=うぬぼれの強い
- deficient=不足している
【反意語の問題例】
「obscure」と反対の意味をもつ英単語を1〜5の中から1つ選びなさい。
- invisible
- infamous
- famous
- transparent
- ignoble
【解答&解説】
「obscure」は「無名の」という意味です。よって、正解は3・・・(答)です。
その他の英単語の意味は以下です。
- invisible=目に見えない
- infamous=悪名高い
- transpare=透明な
- ignoble=不名誉な
【英英辞典の問題例】
以下の説明文に最も近い意味をもつ英単語を1〜5の中から1つ選びなさい。
a person who lives in a particular place permanently
- fugitive
- inhabitant
- foreigner
- citizen
- visitor
【解答&解説】
説明文の日本語訳は「特定の場所に永続的に住む人」です。
よって、正解は2・・・(答)の「inhabitant(定住者)」となります。
その他の選択肢の意味は以下の通りです。
- fugitive=逃亡者
- foreigner=外国人
- citizen=市民
- visitor=訪問者
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構造把握
構造把握も英語と同じく出題する企業はかなり少ないので、基本的には対策不要です。
※詳しくは「SPIの構造把握とは?例題とコツもご紹介!出るかどうかを事前に判別する方法は?」をご覧ください。
構造把握の問題は言語系の問題と非言語系の問題の2パターンがありますが、問題の難易度は中くらいでおおよそ一定です。
なので、本記事では構造把握の問題例をご紹介するにとどめます。
【言語系の問題例】
次のア〜オを文の構造によってA(2つ)とB(3つ)の2グループに分けるとき、Aに分類されるものはどれとどれか。
ア:このまま暖かい日が続いていけば、来週には桜が満開になるだろう。
イ:解散総選挙になると、自民党が圧勝する可能性が高い。
ウ:駅の近くに新しい駐輪場ができたので、放置自転車の数は減少するはずだ。
エ:牛肉の関税が引き下げられると、牛丼の値段が安くなるかもしれない。
オ:外国人観光客が増えたため、英語での対応が必要になるだろう。
【解答&解説】
正解はウとオ・・・(答)です。
ウ・オは未来の予想の根拠が、すでに起こった過去のことがらになっています。
一方で、ア・イ・エは未来の予想の根拠が、これから起こる未来のことがらになっています。
【非言語系の問題例】
次のア〜エのうち、問題の構造が似ているものの組み合わせを1つ選び、下記の選択肢1〜6で答えなさい。
ア:52枚のトランプから同時に3枚を取り出したとき、3枚ともスペードになる確率はいくらか。
イ:サイコロを3回投げるとき、少なくとも1回は4が出る確率はいくらか。
ウ:コインを3回投げて3回とも裏が出る確率はいくらか。
エ:赤玉3個、青玉2個、白玉1個が入った箱から1個を取り出して色を記録し、元に戻す。この作業を3回繰り返したとき、すべて白玉になる確率はいくらか。
- アとイ
- アとウ
- アとエ
- イとウ
- イとエ
- ウとエ
【解答&解説】
ア〜エすべてにおいて3回の試行が発生しますが、ウとエは各回とも確率が同じです。
よって、6・・・(答)が正解です。
アは1枚取り出すたびに元が減っていくので、3回の確率が異なります。イは「少なくとも」という記述があるので、余事象を使います。
※余事象の詳細については「SPIの確率の解き方を例題で解説!難しい?出ないという噂は?練習問題付き」をご覧ください。
ア〜エの答えの求め方は以下の通りです。
ア:13/52 × 12/51 × 11/50
イ:1-(5/6)3
ウ:(1/2)3
エ:(1/6)3
SPIで簡単な問題ばかり出題されるのが危険な理由
WEBテスティングまたはインハウスCBT型のSPIは最初の問題であればあるほど簡単です。
後半の問題になるにつれて問題の難易度は上がっていきます。
なので、WEBテスティングまたはインハウスCBT型のSPIにおいて簡単な問題ばかりが出題されるということはありません。
ペーパーテスト型のSPIはその名の通りペーパーテスト(筆記試験)です。
簡単な問題も含まれていますが、難しい問題も含まれています。
なので、ペーパーテスト型のSPIもWEBテスティングと同様に簡単な問題ばかりが出題されるということはありません。
※SPIのペーパーテスト(筆記試験・マークシート)を完全解説した記事もぜひ参考にしてください。
しかし、テストセンター型のSPIで簡単な問題ばかり出題されるのは要注意です。
テストセンターでは問題に正解するごとに問題の難易度が上がっていきます。
逆に、不正解が多いといつまで経っても簡単な問題ばかりが出題されます。
つまり、テストセンター型のSPIで簡単な問題ばかりが出題されるということは不正解の数が多い=点数が低いということです。
テストセンターでは言語→非言語の順番で試験が進んでいきますが、言語の点数が低いと非言語の問題は簡単な問題からスタートします。
言語の点数が高いと、非言語は以下のような4タブの図表の読み取り問題からスタートします。制限時間が短いので、難易度は高めです。
※4タブ=1つのお題に対して4つの問題が用意されていること。詳しくは「SPIの4タブとは?表の読み取りや長文なしで出ると点数高い?」をご覧ください。
【問題例】制限時間=3分
下の表は食品メーカーX、Y社について、購入者の年齢層別・男女別の売上割合を示したものである。X社の総売上高は11,521万円、Y社の総売上高は6,421万円である。
性別 | 男性(X社) | 女性(Y社) | 男性(X社) | 女性(Y社) |
---|---|---|---|---|
20代 | 2% | 3% | 4% | 10% |
30代 | 4% | 3% | 7% | 9% |
40代 | 14% | 6% | 7% | |
50代 | 11% | 12% | 7% | 15% |
60代 | 14% | 13% | 11% | 5% |
70代以上 | 12% | 6% | 8% | 6% |
(1)X社の売上高における60代男性の売上はいくらか。必要な場合は、最後に小数点以下第2位を四捨五入せよ。
(2)Y社の40代女性の売上割合はいくらか。
(3)X社における40代以下の売上高はいくらか。必要な場合は、最後に小数点以下第1位を四捨五入せよ。
(4)X社の50代の売上高は、Y社の30代の売上高の何倍か。必要な場合は、最後に小数点以下第2位を四捨五入せよ。
【解答&解説】
(1)X社の60代男性の売上割合は14%です。
よって、11,521×0.14=1612.94より、四捨五入して1612.9[万円]・・・(答)となります。
(2)Y社の40代女性の売上割合は、
100-(4+7+7+7+11+8+10+9+15+5+6)=11[%]・・・(答)
となります。
(3)X社における40代以下の売上高は20代〜40代男女の売上割合を求めて、総売上をかければよいです。
2+3+4+3+14+6=32[%]より、11,521×0.32=3686.72[万円]となるので、四捨五入して3687万円・・・(答)となります。
(4)X社の50代の売上高は男女合わせて、
11+12=23[%]より、11,521×0.23=2649.83[万円]です。
Y社の30代の売上高は男女合わせて、
7+9=16[%]より、6421×0.16=1027.36[万円]です。
よって、2650÷1027=2.58となるので、四捨五入して2.6倍・・・(答)となります。
※「SPIの図表の読み取りは対策必須!必ず覚えておくべき知識をご紹介します」をご覧ください。
非言語の点数が高い場合は推論の問題が多く出題されます。逆に、推論が全く出題されない・出題されても1問程度しか出題されない場合は点数が低いです。
推論は以下のような問題です。
【問題例】
ある人が同じ週内に掛け持ちで行ったコンビニとスーパーのアルバイトについて、以下のことがわかっている。
【1】少なくとも週に2回以上アルバイトを行なった。
【2】コンビニのアルバイトとスーパーのアルバイトは異なる曜日に行なった。
【3】月曜日はコンビニの、金曜日はスーパーのアルバイトを行なった。
このとき、以下の推論ア・イ・ウのうち正しいものはどれか。すべて選びなさい。
ア:【2】が正しければ、【1】も必ず正しい
イ:【3】が正しければ、【1】も必ず正しい
ウ:【1】が正しければ、【2】も必ず正しい
【解答&解説】
コンビニとスーパーのアルバイトを同じ週内の異なる曜日に行なったということは、少なくとも週に2回はアルバイトを行なったため、アは正しいことがわかります。
月曜日はコンビニ、金曜日はスーパーのアルバイトを行なったということは、少なくとも週に2回はアルバイトを行なったため、イも正しいことがわかります。
少なくとも週に2回以上アルバイトを行なったということは、例えば同じ月曜日の異なる時間帯にコンビニとスーパーのアルバイトを行なった可能性があるので、ウは必ず正しいとは言えません。
以上より、答えはアとイ・・・(答)です。
※「SPIの推論とは?すべてがわかる!時間足りない・苦手な人向けの対策方法も解説」もぜひ参考にしてください。
テストセンター型のSPIは結果の使い回しが可能なので、テストセンターでSPIを受検する就活生や転職活動中の社会人は問題が簡単かどうかも気にするようにしましょう。
「SPIの高得点目安・指標は?点数や正答率を知る方法」という記事もご用意しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
🔽 本にも載ってない極秘情報 🔽
今回はSPIで簡単な問題は出るのか?テストセンターで簡単な問題ばかり出題されるが危険な理由について解説していきました。
簡単な問題を必ず得点できるように、しっかりと事前のSPI対策を行いましょう!