SPIと言えば多くの人が言語(国語)や非言語(数学)の問題が出題されるWEBテストを想像しますが、実はそれだけではありません。
※「SPIとは?対策方法や問題・例題をすべて紹介!適性検査SPIはこれで完璧だ!」もぜひ合わせてご覧ください。
SPIにはSPI-Nという事務職志望者のための試験もあります。
後ほど詳しく解説しますが、SPI-Nは一般的なSPIと比べて出題される問題の内容が大きく異なります。
本記事ではSPIマスターの私カズマがSPI-Nとは何かについて詳しく解説した後、SPI-Nの例題や対策方法・おすすめの問題集などについても解説していきます。
事務職志望者でSPIを受検予定の人はぜひ最後までご覧ください。
ちなみにですが、SPIにはたった3時間の勉強でSPIが通過してしまう勉強法があります。
これさえあれば限りなく少ない努力で内定に大きく近づきます。
これは私が100回以上ものSPI受検を通して生み出した、どの本にも載っていない超コスパの良い究極の勉強法です。
興味のある人はぜひ以下のボタンからその方法をチェックしてみてください。
SPI-Nとは?一般的なSPIとの違いは?
SPI-Nとは事務職採用のための適性検査です。
主に短大・高校の新卒を対象としていますが、大学の新卒や中途採用の事務職採用でもSPI-Nの受検が必要なケースもあります。
SPI-Nは基本的にはペーパーテスト型で試験が行われます。PCからの受検ではありません。
一般的なSPIでは言語(国語)で長文読解が出題されたり、非言語(数学)で速度算や損益算の問題が出題されたりしますが、SPI-Nでは「照合」や「置換」といったような特殊な問題が出題されます(SPI-Nで出題される問題については後ほど詳しく解説します)
SPI-Nを受検予定の事務職志望者はSPI-Nに特化した勉強・対策が必要なのでご注意ください。
SPI-Nでも一般的なSPIと同様に能力検査と性格検査の2つが用意されています。
能力検査のみのSPI-Nは「NCA」とも呼ばれています。
※一般的なSPIでも性格検査なしで能力検査のみの場合もあります。詳しくは「SPIで能力検査のみはあり得る?結論あり得ます!見分け方もご紹介」をご覧ください。
SPI-Nの例題と試験時間・問題数
SPI-Nでは検査1〜8までの合計8つの検査(科目)が用意されています。
各検査の内容と試験時間・問題数は以下の通りです。
検査名 | 検査内容 | 試験時間・問題数 |
---|---|---|
検査1 | 正誤の照合 | 5分・100問 |
検査2 | 表の読み取り | 5分・40問 |
検査3 | 置換 | 5分・50問 |
検査4 | 計算 | 8分・40問 |
検査5 | 漢字の正誤 | 8分・150問 |
検査6 | 性格検査 | 検査6〜8合わせて約40分・300問 |
検査7 | 性格検査 | ー |
検査8 | 性格検査 | ー |
以下ではそれぞれの検査の例題をご紹介していきます。
正誤の照合
正誤の照合は左右の文字や数字、記号が同じか異なっているかを照合する問題です。学力は一切必要ありません。
本番のSPI-Nでは問題冊子への書き込みが可能なので、書き込みをしたり印を付けたりして素早く正確に問題を解いていきましょう。
【例題】
左右の文字・数字・記号を見比べ、同じか異なるかを答えよ。
(1)(き が ぬ い ふ) ー (き か ぬ い ふ)
(2)(2 8 4 5 6) ー (2 8 4 5 6)
(3)(サ ウ テ ト ケ) ー (サ ウ テ チ ケ)
(4)(H Y T J K) ー (H Y I J K)
(5)(u t m e d) ー (u t m e d)
(6)(↑ → ← → ↓) ー (↑ → ← ↓ ↓)
【答え】
(1)異なる、(2)同じ、(3)異なる、(4)異なる、(5)同じ、(6)異なる
表の読み取り
与えられた表やグラフから数字を読み取る問題です。
一般的なSPIの非言語で出題される図表の読み取り問題に近い内容です。
※「SPIの図表の読み取りは対策必須!必ず覚えておくべき知識をご紹介します」もぜひ参考にしてください。
【例題】
以下の表は各駅間の普通運賃およびグリーン車の料金を含んだ運賃の料金表である。
上段は普通運賃を、下段は普通運賃+グリーン車の料金を示している。
このとき、各問に答えなさい。
(1)G駅からM駅までの普通運賃はいくらか求めよ。
(2)J駅からH駅までの普通運賃はいくらか求めよ。
(3)L駅からグリーン車の料金を含む運賃が5,500円かかる駅はどの駅か答えよ。
【解答&解説】
(1)G駅からM駅までの普通運賃は以下の表における赤字の部分になります。
よって、答えは3,600円・・・(答)です。
(2)J駅からH駅までの普通運賃は以下の表における赤字の部分になります。
よって、答えは1,400円・・・(答)です。
(3)L駅からグリーン車の料金を含む運賃が5,500円となっているのは以下の表における赤字の部分です。
よって、答えはG駅・・・(答)となります。
置換
置換は文字を数字に置き換えて、式中の「?」マークを解く問題です。
【例題】
表をもとに文字を数字を置き換えた場合、「?」に該当する数字を求めよ。
(1)D+E=A+C+?
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
4 | 2 | 1 | 5 | 3 |
(2)D+A+?=E+C
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
1 | 4 | 5 | 2 | 3 |
(3)C+E=D+E+?
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
5 | 3 | 4 | 2 | 1 |
【解答&解説】
(1)D+E=5+3=8です。A+C=4+1=5です。
よって、?=8-5=3・・・(答)となります。
(2)E+C=3+5=8です。D+A=2+1=3です。
よって、?=8-3=5・・・(答)です。
(3)C+E=D+E+?は両辺にEがあるので、C=D+?と変形することができます。
C=4、D=2なので、?=4-2=2・・・(答)となります。
計算
四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)を解く問題です。
分数や小数、累乗の計算も出題されるのでご注意ください。
【例題】
以下の計算を行いなさい。
(1)8764+1384
(2)673-196
(3)756-48÷4
(4)6.9+2.7-3.4
(5)6+4+9+12-17
(6)2/5 ÷ 5/7
(7)3.3×102
(8)5+4×(-3)2
(9)1/3 – 1/7
(10)0.12×0.4
【解答&解説】
(1)8764+1384=10148
(2)673-196=477
(3)756-48÷4=756-12=744
(4)6.9+2.7-3.4=6.2
(5)6+4+9+12-17=14
(6)2/5 ÷ 5/7=2/5 × 7/5=14/25
(7)3.3×102=3.3×100=330
(8)5+4×(-3)2=5+4×9=5+36=41
(9)1/3 – 1/7=7/21 – 3/21=4/21
(10)0.12×0.4=0.048
漢字の正誤
漢字の読み方を判断する問題と漢字の書き方を判断する問題の2種類があります。
【例題1】
カッコ内に書かれた読み方が正しいか誤っているか答えなさい。
(1)敷設(シセツ)
(2)廉売(ケンバイ)
(3)頒布(リョウフ)
(4)安閑(アンカン)
(5)現像(ゲンショウ)
【解答&解説】
(1)誤りです。正しくは「フセツ」と読みます。
(2)誤りです。正しくは「レンバイ」と読みます。
(3)誤りです。正しくは「ハンプ」と読みます。
(4)正しいです。
(5)誤りです。正しくは「ゲンゾウ」と読みます。
【例題2】
カッコ内に書かれた漢字が下線部のカタカナと正しく対応しているか誤っているか答えなさい。
(1)相手にユウリ(優利)なルールだ
(2)バイショウ(倍償)の責任を負う
(3)雑誌を定期コウドク(購読)する
(4)駅のコウナイ(構内)に喫茶店がある
(5)新入社員をカンゲイ(勧迎)する
【解答&解説】
(1)誤りです。正しくは「有利」です。
(2)誤りです。正しくは「賠償」です。
(3)正しく対応しています。
(4)正しく対応しています。
(5)誤りです。正しくは「歓迎」です。
🔽 本にも載ってない極秘情報 🔽
性格検査
性格検査は受検者の性格の特徴からどんな仕事・どんな企業風土に向いているのかなどを診断する検査です。
自分の直感に従って用意された質問に回答していけばいいだけなので、特に対策は必要ありません。
性格検査はSPI-Nでも一般的なSPIでも出題されますが、出題される問題(質問)に大きな違いはありません。
性格検査の例題はSPIの性格検査を例題で完全解説した記事で詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
SPI-Nの対策方法
SPI-Nは上記でご紹介した例題の通り、問題自体の難易度はそこまで高くありません。
しかし、制限時間がかなりタイトなので、問題を素早く解く訓練が必要です。
各検査の具体的な対策方法ですが、正誤の照合は特に対策のしようがないので割愛します。
表の読み取りは上記の例題のような階段型の表がSPI-Nでは頻出なので、必ず読み取れるようにしておきましょう。
上記の例題において、例えばG駅からH駅までの運賃は以下のようにGとHの交わるマスに注目すれば良いです。
K駅からH駅までの運賃はKとHの交わるマスに注目すれば良いです(以下の黄色部分)
表の読み取り方を理解したら、後ひたすら問題集で問題を解いてスピードをつけていく練習をしましょう。
※SPIのおすすめ問題集・参考書をご紹介した記事もぜひ参考にしてください。
計算問題は計算ドリルを購入し、時間を測った上で毎日20問でもいいので問題を解くことが重要です。
計算スピードは計算問題を解いた分だけ必ず早くなります。
そして、最後の漢字の正誤ですが、これはなるべく多くの漢字をSPI-N本番までに暗記するしかありません。
SPI-Nで出題される漢字のレベルとしては漢検(漢字検定)で言うと準2級〜2級レベルです。
漢検の問題は大問1が漢字の読み方を答える問題、大問6と8がカタカナを漢字に変換する問題なのでSPI-Nの良い対策になります。
漢検の過去問は漢検のホームページから無料で閲覧・ダウンロードできるのでかなりおすすめです。答えも用意されているので、ぜひ有効活用しましょう。
SPI-Nの問題集は2冊しか販売されていない
SPI-Nの対策ができる問題集は
- 事務職・一般職 SPI3の完全対策
- 高校生用SPIクリア問題集
の2冊しか販売されていません。
※「SPI3とは?問題例や問題集・対策法は?SPI3-Gとは?すべてがわかる!」もぜひ参考にしてください。
前者は実務教育出版から販売されており、料金は税込1,320円です。後者は成美堂出版から販売されており、料金は税込935円です。
世の中ではSPI-Nではなく一般的なSPIを受検する人の方が多いので、上記2冊は少しマイナーな問題集です。
そのため、小さい本屋では販売されていない可能性があるのでご注意ください。
購入したい人は大きめの本屋に行くかAmazonなどのネットから購入するのがおすすめです。
上記の画像の通り、本記事の筆者も実際に購入してみましたが、「事務職・一般職 SPI3の完全対策」はSPI-Nで出題される問題がすべて網羅されているのでかなりおすすめの問題集です。
あえてデメリットをあげるとすれば表の読み取りと計算問題の問題数が少ないことでしょうか。
表の読み取りは大問が1つだけ、計算問題は例題を除いて10問しか用意されていません。
もっとたくさんの問題を解いて対策をしたい人は計算ドリルなどを購入することをおすすめします。
「高校生用SPIクリア問題集」はSPI-H(後ほど解説します)がメインの問題集なので、SPI-Nの問題は少ししか掲載されていません。
SPI-Nで出題される表の読み取りなど、全く掲載されていない問題もあるのでご注意ください。
なので、SPI-Nを受検予定の人は「事務職・一般職 SPI3の完全対策」をメインに対策を行い、もう少し追加でSPI-Nの問題を解きたい場合は「高校生用SPIクリア問題集」を購入するのがおすすめです。
SPI-Nと誤謬率の関係
何度もお伝えしている通り、SPI-Nは事務職採用のためのSPIです。
事務職の仕事内容としては書類の作成や処理、データ入力や書類のファイリング、郵便物や請求書などの発送・仕分けなど多岐に渡ります。
事務職は仕事のスピードと正確性が求められる職種です。例えば、請求書の送付先を間違えてしまうと企業の情報漏洩に繋がる恐れもあります。
以上の背景から、SPI-Nでは受検者の問題処理スピードと正確性を把握するために誤謬率が測定されています。
誤謬率とは誤答率のことで、全回答数における間違いの数の割合のことです。
例えば10問の問題に回答して4問間違った場合、誤謬率は40%となります。
誤謬率が測定されるSPI-Nではわからない問題は勘で回答せず、空欄のままにしておく方が良いです。間違いの数が増えると点数に影響が出てしまいます。
詳しくは「SPIで誤謬率は計測されない!わからない問題は適当でOK!誤謬率が計測されるWEBテストは?」で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
SPI-NとSPI-R・SPI-Hとの違いとは?
SPI-Nと似たものとしてSPI-RとSPI-Hがあります。
SPI-Rは事務職ではなく一般職採用のためのSPIです。主に大学・短大の新卒を対象としています。
事務職と一般職は似ていますが、厳密には違います。
事務職は一般職の中の1つであると認識しておけば良いでしょう。一般職の中には事務職だけでなく秘書や経理職・営業アシスタントなど様々な仕事・職種があります。
SPI-Rで出題される問題は分類・概算・文章照合・基礎能力・性格検査となっており、SPI-Nとはかなり毛色が違います。
SPI-Rについては「SPI-Rとは?例題や見分け方・問題集をご紹介!事務職で必要?誤謬率は?練習問題付き」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
そして、SPI-Hは高校卒業後に就職して働く予定の高校生を対象にしたSPIです。
言語・非言語・性格検査の3科目が用意されており、一般的なSPIに近い内容となっていますが、出題される問題は一般的なSPIと比較して少し易しめです。
SPI-Hの詳細は「SPI-Hとは?問題例や難易度・時間・対策は?問題集のおすすめもご紹介!」をご覧ください。
🔽 本にも載ってない極秘情報 🔽
今回はSPI-Nとは何か・例題や対策方法・販売されている問題集などについて解説していきました。
SPI-Nで高得点を取るポイントは「素早く正確に」です。ぜひしっかりと対策した上で本番に臨みましょう。