SPIと公務員試験(基礎能力検査)の問題の違いや難易度の違いを知りたい就活生・転職活動中の社会人は多いのではないでしょうか?
※「SPIとは?対策方法や問題・例題をすべて紹介!適性検査SPIはこれで完璧だ!」もぜひ合わせてご覧ください。
本記事ではSPIの問題例と公務員試験(基礎能力検査)の問題例(一部過去問あり)を実際に取り上げながら、上記の違いについて解説していきます。
また、公務員試験(基礎能力検査)では出題されないSPIの性格検査や公務員試験でSPIを導入しているところはあるのか?などについても解説していきます。
公務員志望者やSPIを受検予定の就活生や転職活動中の社会人はぜひ参考にしてください。
SPIと公務員試験(基礎能力検査)の違いは?
SPIと公務員試験の最大の違いは出題される科目数です。
SPIの能力検査で出題される科目は言語(国語)・非言語(数学)・性格検査の3科目が一般的ですが、公務員の採用試験はSPIと比べて数多くの科目が用意されています。
※SPIでは言語・非言語に加えて英語・構造把握という科目が追加されるケースもありますが、英語・構造把握を導入している企業は少ないのが現状です。
公務員試験は試験種や自治体によって出題される科目が異なりますが、例えば大卒程度(上級)公務員試験の科目は大きく教養科目と専門科目に分かれており、教養科目は以下のような細かい科目に分かれています。
※以下を総合して教養択一試験(基礎能力検査・基礎能力試験)と言います。
科目名 | 内容 |
---|---|
数的処理(一般知能) | SPIでいうところの非言語に該当。数学的な思考力・推理力が問われる。 |
文章理解(一般知能) | SPIでいうところの言語に該当。現代文と英文が中心となる。試験によっては古文が出題されるケースもある。 |
人文科学(一般知識) | 高校の科目でいうところの社会に該当。日本史・世界史・倫理・地理など幅広い問題が出題される。 |
自然科学(一般知識) | 高校の科目でいうところの理科と数学に該当。物理・化学・生物・地学・数学など幅広い問題が出題される。 |
社会科学(一般知識) | 高校の科目でいうところの公民と現代社会に該当。政治・経済・法律など幅広い問題が出題される。 |
時事問題(一般知識) | 近年発生した政治や経済、国際情勢などにおける事象が出題される。 |
※「SPIと数的処理の問題を徹底比較!できない人が多いのはどっち?」もぜひ参考にしてください。
なので、対策にかかる時間はSPIよりも公務員の方が圧倒的にかかるでしょう。
公務員試験の合格に必要な勉強時間は最低でも800時間といわれており、これは1日4時間の勉強だとおよそ6ヶ月、1日2時間の勉強だとおよそ1年かかる時間です。
しかし、SPIの場合はSPIを1週間で仕上げる方法について解説した記事でも述べた通り、1週間もあれば十分対策可能なWEBテスト(試験)です。
SPI対策の時間が1週間も取れない人は一夜漬けでもなんとかなる人もいます。
※詳しくはSPIを一夜漬けでなんとかする方法について解説した記事をご覧ください。
ちなみにですが、SPIにはたった3時間の勉強でSPIが通過してしまう勉強法があります。
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SPIの問題と公務員試験(基礎能力検査)の問題はどっちが難しい?
では、問題自体の難易度はSPIと公務員試験(基礎能力検査)どちらが難しいのでしょうか?
結論から申し上げると公務員試験(基礎能力検査)の問題の方がSPIの問題よりも難しいです。
先ほども解説した通り、公務員試験の合格に必要な勉強時間は最低でも800時間です。
問題自体が簡単なら800時間もの対策は必要ないのです。
では、SPIの問題と公務員試験(基礎能力検査)の問題を見比べてみましょう。
※本記事ではSPIの言語と公務員試験の文章理解、SPIの非言語と公務員試験の数的処理、英語で比較してみます。
言語
今回はSPI・公務員試験の両方で出題される文の並び替え問題で比較してみます。
まずはSPIの文の並び替え問題からです。
【SPIの問題例】
以下のA〜Dを意味が通るように並び替えたとき、最も適切な並びはどれか。選択肢1〜4の中から1つ選びなさい。
【A】歴史家は歴史的な正確性に欠けるといい、文芸評論家は文学性が足りないという。
【B】新聞は、新聞本来のあり方でないものを期待されるべきではない。
【C】多くの場合、新聞は事件のその場限りの記録以外に何も提供できないだろう。
【D】しかし、新聞は歴史でも文学でもない。
- C→D→A→B
- C→A→D→B
- B→A→D→C
- B→D→A→C
【解答&解説】
選択肢を見ると、冒頭はBかCから始まることが予想できます。
Cは「多くの場合」と提起を受ける形で冒頭には不自然なので、この時点で最初はBが確定します。
また、Dの「しかし」に注目すると、内容から歴史と文学を受けているので、A→Dという順番が確定します。
よって答えは3・・・(答)となります。
【公務員試験(基礎能力検査)の問題例】
※出典:平成30年度 国家総合職 教養問題
以下の枠内の文章の後に、A〜Eを並べ替えて続けると意味の通った文章になるが、その順序として最も適当なものは選択肢1〜5のうちどれか。1つ選びなさい。
主体を喪失することによって初めて、この世界への通行書を手にする人々は、このヴァーチャルな世界で失われた自己を取り戻すための手段を得、努力を開始する。
【A】それゆえ、主体は、欲望の直接的な充足をそのつど禁止し、それを先送りにする。この禁止と先送りのメカニズムを成立させるものこそが貨幣であり、資本主義の根本の機制なのである。
【B】この手続きとは、失われた自己の場所を埋めるために、次々と「他者の欲望」にしたがって自己の欲望を転移させ、また開拓し続けることであった。
【C】それは、経済学者が述べるように、絶えず景気変動や失業という問題を抱えているというだ けではなく、資本主義を可能としている「精神」が本質的にきわめて不安定だということである。
【D】資本主義の無限の拡張を精神の深層で支えているものは、この主体の自己喪失の不安と言っ てよい。人は不安に衝き動かされ、ぽっかりと穴のあいた自己の場所を補填する何かを無限運動として求め続ける。それは決して手に入るものではない。
【E】言い換えれば、資本主義の「精神」とは、自己を喪失した人間が、その不安から逃れるためにひたすら前のめりになりながら、何かを求めて走り続けているようなものだと言えよう。だか ら、資本主義は本質的に「不安定」なのである。
- B→D→A→E→C
- B→E→D→C→A
- D→A→B→C→E
- D→A→C→B→E
- D→E→A→C→B
【解答&解説】
選択肢から、先頭はBかDのどちらかで確定となります。
Bに注目すると「この手続き」で始まっているので、Bの直前には手続きの内容がくることが予想できます。
そのうえで1~5の選択肢を見るとBの前に来るのは枠内の文章かAかCであることがわかります。
Aでは資本主義の機制の話がされており、Cは「この手続き」とは結び付きそうにありません。
よって、この時点でBが先頭に来ることがわかるので、この時点で答えは1か2となります。
次にはEの「言い換えれば」に注目します。「言い換えれば」の後にくる内容はEの直前にくるの選択肢の内容と一致していなければなりません。
選択肢1と2を見るとEの前にはAかBがくることがわかります。
ここで、A→E、B→Eと読んでみると、A→Eでは違和感はありませんが、B→Eでは突然「資本主義」の話が出てくるので違和感があります(それまでに資本主義の話はされていないため)
よって、B→Eは不適であることがわかります。
以上より、答えは1・・・(答)となります。
以上の通り、一文の長さがSPIよりも公務員試験の方が長く、難易度が高いことがお分かりいただけたかと思います。
※「SPIの文の並び替え問題を解くコツは?練習問題もご用意しました」もぜひ合わせてご覧ください。
非言語
今回はSPI・公務員試験の両方で出題される整数問題で比較してみます。
まずはSPIの整数問題からです。
【SPIの問題例】
2桁の整数Xについて、以下2つのことがわかっている。
- Xは2でも3でも5でも割り切れない
- Xは11で割り切れる
このとき、Xを6で割ったときの余りを求めよ。
【解答&解説】
2より、Xは11、22、33、44・・・であることがわかります。
このうち、2でも3でも5でも割り切れない数の1つとして11があることがわかります。
11÷6=1余り5なので、答えは5・・・(答)となります。
【公務員試験(基礎能力検査)の問題例】
1から300までの整数のうち、整数Mで割り切れる数は7個あり、整数Nで割り切れる数は5個ある。このとき、N-Mの最小値を求めよ。
【解答&解説】
Nが最小、Mが最大となるときにN-Mは最小値を取ります。
300÷7=42.86・・・です。42×7=294、43×7=301なので、1から300までの整数の中に42で割り切れる数は7個あることがわかりますが、43で割り切れる数は6個しかないことがわかります。
以上より、M=42が確定します。
一方で、300÷6=50より、1から300までの整数の中に50で割り切れる数は6個あることがわかりますが、51×6=306なので、51で割り切れる数は5個しかないことがわかります。
以上より、N=51が確定します。
よって、N-Mの最小値は51-42=9・・・(答)となります。
非言語(数的処理)に関しても公務員試験の方が難易度が高いことがお分かりいただけるでしょう。
SPIの整数問題は数を書き出して解くことも可能ですが、公務員試験の場合は一筋縄ではいかないケースが多いです。
「SPIの整数問題10選!難易度が高いので要注意」という記事もご用意しているので、ぜひ参考にしてください。
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英語
英語もSPIより公務員試験の方が難易度が高いです。
今回は英単語に関する問題を取り上げてみます。
【SPIの問題例】
以下の説明文と意味が最も近いものはどれか。選択肢1〜5の中から1つ選びなさい。
something you must do because it is morally or legally needed
- obligation
- migration
- segregation
- celebration
- dedication
【解答&解説】
説明文を日本語に訳すと「道徳的または法的な必要のために行わなければならないこと」となります。
各選択肢の意味は以下の通りです。
- 義務
- 移住
- 人種差別
- お祝い
- 献身
よって答えは1・・・(答)です。
【公務員試験(基礎能力検査)の問題例】
※出典:平成29年度 特別区I類 教養問題
次の日本語のことわざまたは慣用句と英文との組み合わせA〜Eのうち、双方の意味が類似するものを選んだ組み合わせとして妥当なものは選択肢1〜5のうちどれか。
A | 魚心あれば水心 | Neither fish nor flesh. |
B | 売り言葉に買い言葉 | One ill word asks another. |
C | 鉄は熱いうちに打て | Strike while the iron is hot. |
D | 青天白日 | A bolt from the blue. |
E | 少年老い易く学成り難し | Art is long, life is short. |
- A、B、D
- A、C、D
- A、C、E
- B、C、E
- B、D、E
【解答&解説】
Cは明らかに類似していることがわかります。この時点で選択肢は2〜4に絞られました。
次にDですが、青天白日とは漢字からもわかる通り、青空に日(太陽)が輝いているという情景から「心にやましいことが全くないこと」を意味します。
しかし、英文には「bolt(稲妻)」が含まれているので類似してなさそうです。
よってDは不適となります。この時点で答えは3か4になります。
続いてAを見てみます。「flesh」という単語がありますが、これは「新鮮な」という意味ではありません。「肉」という意味です。
「新鮮な」は英語で「fresh」です。問題文ではRではなくLになっていることに注意してください。
なのでAの英文を訳すと「魚でもなければ肉でもない」となります。
「魚心あれば水心」は自分が好意を伝えれば相手も好意も示してくれるという意味です。
なので全然類似していないことがわかります。
よって答えは4・・・(答)となります。
※「SPIの英語はこれで完璧!出題される形式や問題・対策方法などを一挙ご紹介」もぜひ参考にしてください。
公務員試験(基礎能力検査)では出題されないSPIの性格検査とは?
上記でも解説した通り、SPIには性格検査があります。
性格検査とは300問の質問に受検者が回答し、その結果の特徴から受検者がどんな仕事・どんな企業風土に向いているのかなどを診断する科目です。
性格検査は公務員試験では行われません。
性格検査の結果は客観的な判断材料として面接官が参考にしたり、部署配属などに活用されたりします。
SPIの性格検査では以下のような質問が行われます。
【例題】
以下(1)〜(5)の質問は、あなたの日常の行動や考え方にどの程度あてはまるか。最も近い選択肢を1〜4の中から1つ選びなさい。
- Aに近い
- どちらかといえばAに近い
- どちらかといえばBに近い
- Bに近い
(1)A:和を大切にしたい、B:個性を大切にしたい
(2)A:仕事は他人と協力しながら進めたい、B:仕事は自分の流儀で進めたい
(3)A:あわただしいのが苦手だ、B:じっとしているのが苦手だ
(4)A:思いついたことは実行する前によく検討するほうだ、B:思いついたことはすぐ実行するほうだ
(5)A:さっぱりした人だと言われる、B:しぶとさが持ち味だ
SPIの性格検査について詳しく知りたい人はSPIの性格検査を例題で完全解説した記事をご覧ください。
公務員志望者はSPIの勉強は必要?
公務員試験でSPIを出題するケースは少ないので、公務員志望者はSPIの勉強をする必要は基本的にはありません。
しかし、公務員試験に落ちた場合は民間企業へ就職・転職しようと考えている人は民間企業の選考でSPIの受検が必要になるケースはあります。
「SPIが必要ない企業・会社を大手中心にご紹介!ない理由・特徴も解説」で詳しく解説していますが、SPIを導入している企業は日本全体でみると0.42%しかありません。
大手企業や人気企業であればSPIを導入している可能性は上がりますが、日本のほとんどの企業ではSPIが導入されいないのが現状です。
なので、公務員志望の人で民間企業も視野に入れている人はSPIの勉強は余力があればでよいでしょう。
ちなみにですが、SPIにはたった3時間の勉強でSPIが通過してしまう勉強法があります。
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公務員試験でSPIを導入しているところもある?
先ほど「公務員試験でSPIを出題するケースは少ない」と述べましたが、近年は民間企業志望の就活生を取り込むため、公務員試験にSPIを導入している役所や自治体もちらほら出てきています。
※「大阪市役所のSPIボーダーは?英語は出る?選考フローを徹底解説」もぜひ参考にしてください。
今の日本では公務員試験の応募者の減少が自治体における課題の1つとなっています。
日経転職版によると、都道府県と政令指定都市における「大卒程度の一般行政職」の採用試験の競争率について、2022年度の競争率が2018年度より低下した自治体は7割にも上ったという調査結果を公表しています。
以上の背景を踏まえて、例えば群馬県では令和4年度から「行政事務B(SPI方式)」を新たに導入しています。
試験日程は従来の6月ではなく、この区分だけ4月に実施されるとのことです。
公務員試験におけるSPIはカンニングや替え玉・代行受検を防止するために、必ずテストセンター型のSPIが採用されています。
テストセンターとは試験監督官がいる試験会場でSPIを受検する受検方式のことです。
受検前にはマイナンバーカードや運転免許証などによる本人確認が実施され、筆記用具も試験会場で用意されているものしか使うことができません。
テストセンターについて詳しく知りたい人はSPIのテストセンターとは何かについて解説した記事をご覧ください。
今回はSPIと公務員試験の問題の違いや難易度の違いについて例題をもとに解説していきました。
民間企業への就職・転職も視野に入れている公務員志望者は余力があればSPIの勉強・対策もぜひ行いましょう。